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2024年04月24日  06時12分
ツンデレ受けほど萌えるものはない。
CATEGORY : [サエ亮]
やぁ。

久しぶりのサエ亮ですよ。

やっと出来たんですよ。

遅くてごめんなさい・・・。

もし楽しみに待ってくれた方がいたら本当にごめんなさい!!

いないと思うが。

さぁ、今回のサエ亮は1話完結です。

もうすっきりと1話完結です。

・・・。

嘘です。

だらだらと長い1話完結です。

で、今回のサエ亮は前回のキサミヅの六角サイドです。

前回?何それって方は此方から。

あ、私キサミヅには興味ないって方はもう進んじゃって☆

特に今回は注意書きなしです。

ではどうぞ。









君の言葉が俺を不安にさせる。

とても。

でも、最後は君の言葉が俺を安心させる。

君の言葉は毒。

君の言葉は薬。







                 Drug









ザアァァ・・・

ずっとこの音ばかり聴いている。

いや・・・。

厭でも耳に入ってくるの間違いか。

この部屋にいるのは俺だけじゃなかった。

頭にタオルを被っている亮もいた。

俺達は何かをする訳でもなく、ただ一緒の部屋にいるだけ。

この状況を作ったのは1時間程前の自分。

―――学校の帰り道だった。

俺達は急な夕立に見舞われた。

「あーもう最悪・・・」

横にいる亮は髪が濡れたことが不満なのか、文句を言っていた。

「俺の家来る?」

「え?」

「ほら、亮の家より俺の家の方が近いし、雨は暫く止む気がないみたいだし」

「うん・・・じゃあサエの家にお邪魔する」

「どうぞ」

俺達は雨が降りしきる中、走った。

少しでも雨に濡れたくないという一心で。

俺の家は走ったら3分もしないうちに着く。

直ぐにでも家に入りたかった。

しかし、いつもは開いている筈の鍵が開いていなかった。

「あ、あれ・・・?」

「サエ、鍵持ってるの?」

「うん、持ってるよ」

だから、開いていようが、開いてまいが、さほど関係はなかったが、わざわざポケットから鍵を出し、ドアを開けるという作業が面倒だった。

ガチャッと家のドアを開け、家に入った。

「どうぞ」

「お邪魔・・・します・・・」

雨の音を遮断するかの様にドアを閉めた。

「あ、タオル持ってくるよ」

俺は家の廊下が濡れようが、どうでもよいが、亮はよく気を遣うから、きっと他人の家の廊下を濡らすことを躊躇うだろう。

「うん、ありがとう」

亮は少し安心したような表情をした。

ほら、やっぱり。

びちゃびちゃと家の廊下を濡らしてタオルを取りに行った。

タオルを取りに行く途中、リビングを通った。

そこには予想通り母からの置き手紙があった。

内容はありきたりなものだった。

『買い物に行ってきます。夕方に雨が降るらしいので、降ってきたら濡れないうちに取り込んでくださいね。    母』

一瞬の硬直。

俺は洗濯物が干してある庭を見た。

濡れないうちに取り込んでくださいね、という母からの任務を遂行する為に。

しかし、その任務はほぼ100%失敗しているだろう。

100%・・・いや、120%分かっているが、洗濯物はどうしようもなかった。

きっと怒られるだろうな・・・。

そんなことを思いつつ、俺は濡れた洗濯物を取り込んだ。

それと一緒に本来の目的のものである乾いたタオルを数枚持ち、玄関で待たせている亮のところに向かった。

「はい、タオル」

「ありがとう・・・。どうしたの?それ」

「洗濯物。雨で濡れてもう一回洗濯しないといけないんだよ」

俺は玄関の直ぐ近くにある洗面所にある洗濯機にその洗濯物を入れた。

「ふーん・・・」

亮は濡れた髪や腕を拭いていた。

「寒くない?」

「ん、大丈・・・くしゅっ」

「大丈夫じゃないみたいだね。お風呂入る?直ぐ用意できるし」

「いい」

「風邪ひくよ?」

「そんな簡単にひくわけねぇだろ」

「だぁーめ」

と、俺は亮の小さくて冷たくなっている体を後ろから抱きしめた。

「ほら、こんなに冷たくなってる・・・」

「サエも冷たい・・・」

亮の声は微かに震えていて少し小さかった。

「俺に抱かれるの嫌?」

「嫌じゃない・・・ただ・・・怖い」

「何で?」

「分かんない・・・」

「俺のこと・・・嫌い?」

俺と亮の間に間が開いた。

我ながらとてつもなく馬鹿な質問をしていると思う。

“嫌い”なんて答えが返って来たら一体どうするつもりなんだろう。

分かっていることは、もう立ち直れないってこと。

「嫌いじゃ・・・ない・・・」

「そう・・・」

嫌いじゃない、か・・・。

「あ・・・その、俺もう帰る・・・ゴメン・・・」

ドアノブにかけられている手を握り言った。

「・・・帰らないで・・・」

「・・・」

「ほら、まだ雨やんでないし・・・」

「・・・・・・」

「一緒にいたいんだよ・・・」

「・・・ッ」

亮は小さく頷いた。

「ありがとう」

そして、今の状況がある。

静かな空間。

聞こえるのはさっきよりかはマシになった雨の音。

でも、止みそうにない。

いつになったら止むだろう。

明日、部活の朝練があるのに。

なんてことを考えていた時だった。

急に静かな空間に雨の音以外の音が鳴り響いたのだ。

「っ、ゴメン・・・」

それは亮の携帯電話の音だった。

「いいよ。それより早く出てあげなよ」

「う、うん・・・」

亮は5回目の呼び出し音で出た。

「もしもし」

電話の相手はきっと淳だろう。

あれ?

でも淳今部活の時間だよな?

「どうかしたの?」

きっと何かあったんだろうな。

「言える?」

こういう時の亮はやっぱり兄なんだなって思わせる。

「え?」

淳は何か話したみたいだ。

「まだそんなことを・・・」

亮は呆れたり。

「え?」

驚いたり。

「のに・・・?」

疑問を持ったり。

「淳・・・泣いてるの・・・?」

あたふたしたり。

兎に角短時間に色々な表情を見せる。

「悔しいの?悲しいの?」

少しの間時間が空き、亮が口を開いた。

「淳は・・・観月のことが好きなんじゃない?」

観月・・・?

って、あの聖ルドのマネージャーだよな?

淳があのマネージャーのことが?

「俺だったら観月に間違えられるの嫌だしさぁ」

“間違えられる”

きっとあの時のことだろうな。

「いや、だから・・・その・・・」

さっきまで兄貴面して話していた亮の歯切れが急に悪くなった。

「ぅ、うん・・・」

淳は一体亮に何を言ったのだろう。

「“かも”って・・・お前分かってんの?」

亮が分かって淳が分からないこと。

こんなこと昔もあったな。

その時は逆だったけど

「その・・・人を好きってなること!」

その言葉にこけてしまいそうになった。

この子は俺が後ろにいるってこと忘れているよな?

「う、うん」

亮の頬は少し紅潮していた。

「えっ!!ちょ、あつ・・・」

亮は呆然と自分の手の中にある携帯を眺めていた。

「亮・・・」

亮はビクッと肩を動かした。

「俺のこと忘れてただろ」

「あ、ゴメン・・・」

「謝るってことはホントに忘れられてたんだ」

「ゴメン・・・」

「謝らないの」

「・・・」

コクと亮が頷いた。

それからまた2人の間になんともいえない空気が流れた。

重たい重たい空気。

それを破るのは何なのだろう。

淳にも破れたこの重い空気。

俺に破れない筈がない。

ああ。

結局俺も1年前から変わっていないな。

そんなことを思いつつ、気まずそうな表情をしている亮に話しかけようとした。

「「あ、あのさ・・・」」

この重たい空気を破ったのは俺と亮だった。

「な、何?」

「あ・・・サエからでいいよ・・・」

そう言われても俺は何も考えずに兎に角気まずい空気を脱したいと思い話しかけただけなんだけど・・・。

なんてこと言えないから、俺は兎に角無難な話を振った。

「淳からの電話なんだったの?」

「うーん・・・。何か観月と色々あったみたい・・・」

ま、ほっといたら何とかなるだろう。

と、きっと亮は他人の恋事なんか面倒なことにしか思っていないんだろう。

「あ、そだ。亮はさ・・・」

「な、何だよ」

「人を好きになるってこと分かってるの?」

「・・・っ」

段々と亮の顔が赤くなっていくのが目に見えて分かる。

「さっ」

「?」

「じゃぁ、サエは分かるの?!」

声を荒げて亮が聞いた。

逆ギレのごとく。

「・・・分かるよ」

すっと優しく優しく亮を後ろから抱きしめた。

「好きになる気持ちだけなら分かる・・・」

好きになってもらう気持ちは偶に分からないけど・・・。と、付け足すと亮は悲しそうな表情をした。

「あ・・・」

そう言うと亮はぎゅっと俺の腕を握った。

「亮・・・?」

「ゴメン・・・」

「今日の亮謝りすぎ・・・」

「俺、怖いんだ・・・」

そういえばそれも気になっていたな。

「何が怖いの?」

「・・・サエが、どこかに行ってしまわないかって思うと怖いんだ・・・」

「え・・・?」

「あ、淳みたいにどっかに行ってほしくない・・・んだよ・・・」

亮は蹲って後半は声が小さくなってしまったが俺にはきちんと聞えた。

「どこにも行かないよ」

さっきよりきつい力で亮を抱きしめた。

「どこかに行けって頼まれても亮からは離れない」

「・・・」

「離れたくない」

「わ、分かったから、力緩めろって・・・っ」

「ゴメン」

俺はぎゅっと抱きしめていた腕を少し緩めた。

「ホントに安心して・・・。俺は淳じゃないから」

耳元でそう囁くと亮は小さな声で「お前が淳で堪るか・・・っ」って言った。

「サエはサエなんだから・・・っ」

「うん。そうだね」

「ずっとずっと俺の近くにいればいいんだよ・・・っ」

「うん。嫌がられてもずっとずっと亮の近くにいるよ」

君のその一言だけで、こんなに心を躍らせるのはきっと世界で俺だけだ。

君の言葉に傷つき。

君の言葉に喜ぶ。

君の言葉は毒。

君の言葉は薬。

雨が降っていた空もいつの間にか、そう俺の心みたいに晴れていた。





      -END-







アトガキ

最後まで読んでくださって有難うございます!

今回は久々のサエ亮でワクワクしてました。

前書いたのが4月でしたんで、かなり間が。

あんまり六角サイドになってないかな?

てか、シリアス目指すとか言ってたけどどうなったんだろう・・・。

このタイトルの“Drug”はもうそのまんま。

英語では薬って意味だし。

危ない毒でもあるし。

だから“Drug”です。

さぁ、キサミヅは一体どうなるんでしょうね^^;

正直焦ってます。

ある程度の話は考えてるんですが、上手くまとめれない・・・。

こんな駄目なヤツですが見捨てないで見守ってください。

拍手本当に支えです。

心の支えです。

有難うございます。

以上、アトガキでした。
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2008年07月22日  20時58分
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