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2024年03月29日  23時27分
め、めげないもん。
CATEGORY : [謙光]
めげないめげない。

めげたいがめげません。

さぁ、残念な冬月が昨日の予告どおり小説書きましたよ。

分かってます。

残念だってことは。

分かってる人は分かっててください。

そりゃ、世の中には光謙が好きな人の方が多いかも知れませんがー。

私は謙光好きなんですよー。

光謙がスキって言われても私にはどうしようもないですし・・・。

ニコ動にあれをうpした時点でたたかれるぐらいは安易に想像出来てましたよ。

マイナーだからってたたかれるのも可笑しい気がしますが・・・。

絵だって最初の注意に残念ですって書いたし。

自分だって残念だって分かってますよ・・・。

あぁもう!

めげないって言ってたのに自分って案外弱いですね。

愚痴言ってすみません。

たたかれても冬月は謙光が大好きですよ。

あと、動画にコメントとかもらえて嬉しいです。

マイリスとかも。

ブログとか教えてないんで見てる人いないと思いますが、有難うございます。

さぁ、今回の小説は謙光の謙也編です。

前回の謙也編はコチラから。

続きに小説です。

よかったらどうぞ。







君をもっと知りたい。
 
どうして怯えているの?
 
どうしたら君が笑顔になる?
 
君の近くにいたら分かる?
 
なら、近くにいたい。
 
どうして俺がこんなことを考えてるのが分からない。
 
 



 
気になるアイツ
 




 
 
今日は部活が終わった後にも一人で残ってテニスの練習をしていた。
 
「アイツ今頃さー・・・」
 
「アハハッ!」
 
という数人の男達の笑い声でふと我に戻った。
 
辺りはすっかり暗くなっていた。
 
「はぁ・・・はぁ・・・もうこんな時間か・・・」
 
ポンポン・・・と足元に転がったボールを拾った。
 
こんな風に誰もいないコートで練習している俺は正直焦っているのだろう。
 
天才の存在に。
 
あの財前 光がテニス部に入部して早2ヶ月。
 
桜の花びらが舞い散っていた春から少し蒸し暑くなってきた初夏の間に財前はいつしか“天才”と呼ばれる様になっていた。
 
誰もが財前のテニスのセンスに一目置いている。
 
正直あのテニスセンスは羨ましい同時に一種の恐怖だ。
 
いつかはあの天才に追い越されるだろう。
 
俺は拾ったボールをぎゅっと握りしめた。
 
「・・・そろそろお開きにするか・・・」
 
と、コートの近くに置いていた籠にボールを戻した。
 
それから自分が使った道具を全て片付け、テニス部の部室の近くにある倉庫に行った。
 
俺は鍵はきちんとされていると思っており、オサムちゃんから借りてた鍵を使って開けようとしたが、開かなかった。
 
「・・・あれ?」
 
次にもう一回鍵を鍵穴に入れ、回ると開いた。
 
と言うことは最初から開いてた?
 
「何や、きちんと鍵閉めろっちゅーに」
 
俺はボールが沢山入っている籠を抱え、明かりのない真っ暗な倉庫に入った。
 
真っ暗な倉庫の唯一の明かりは月の光りだった。
 
「・・・ぅ・・・」
 
「誰かおるんか?」
 
薄っすらと月明かりに照らされた人影があった。
 
「・・・あ・・・誰・・・?」
 
と、その人が驚いて顔を上げて俺の方を見た。
 
それが誰なのか分かって俺の方も驚いた。
 
「財前・・・?」
 
俺はその場に籠を無造作に置き、財前に近づいた。
 
月明かりに照らされている財前のカッターシャツは所々血で赤く染まっており、肌蹴ていた。
 
財前本人は泣いていた。
 
「ゃ・・・」
 
「財前、どうしたんや?」
 
「・・・ゃ・・・」
 
「え?」
 
「厭や・・・こんといてぇ・・・」
 
財前の目から涙が溢れ出す。
 
「さっき俺、テニス部辞めるって言ったやんけ」
 
「・・・辞める?」
 
「まだ何か文句あるん?・・・さっきあんなけ思う存分ヤったくせに・・・」
 
「財前・・・」
 
「俺が気に食わんのやったら、いっそ殺せや!」
 
財前の必死な叫び声と涙が俺の胸を締め付ける。
 
「殺して・・・。そして、嘲笑えばええ・・・」
 
はは・・・と財前は力なく笑う。
 
「誰にも・・・そんなことさせへん・・・」
 
と、近づくと財前は肩をビクっと動かした。
 
「もぅ厭や!!誰も・・・誰も俺に構わんといてやっ!!」
 
「ざ、財前落ち着きぃや」
 
「厭や、厭や!!もう何も奪わんといて!!」
 
「俺は財前から何にも奪わんから!」
 
俺は気がつけば財前を抱きしめていた。
 
「厭や!離してぇや!!」
 
「絶対離せへん!財前が笑顔になるまでは!」
 
「離してや!」
 
「光っ!!」
 
「・・・」
 
「光・・・光・・・」
 
「ぁ・・・忍足せんぱ・・・」
 
「ゴメンな・・・」
 
俺は財前の頬を濡らしている涙を指で拭った。
 
「え?」
 
「俺何にも気づいてやれんくって」
 
「先輩・・・」
 
「財前がどうしてこうなったのか聞かせて欲しい」
 
「・・・」
 
財前は俯いて黙り込んでしまった。
 
「あっ、言いたくなかったら別にええねんで!!」
 
「・・・」
 
「でも、テニス部を辞めるって、テニスが好きな財前にはよっぽどのことやし・・・」
 
な?と、涙で頬に張り付いていた綺麗な黒髪を指で触った。
 
「・・・俺・・・」
 
黙り込んでいた財前が口を開いた。
 
まだ顔は俯いたままだが。
 
「俺・・・最近“天才”って呼ばれるようになって・・・、それをよく思わん先輩がおって・・・」
 
「そんなん財前全然悪くないやん。勝手に天才って呼ばれてるだけやし。確かに実力はあるけど」
 
ずっと下を向いてる財前の顔をガッと持ち、上を向かせた。
 
「財前テニス好きか?」
 
「・・・好き、です」
 
「じゃあテニス部辞めんな」
 
「でも・・・」
 
財前の目は初めて会った時みたいに怯えていた。
 
そんな財前をもう一度優しく抱きしめた。
 
「大丈夫や。怯えんでもええ。俺が財前を守るから・・・。な?」
 
お願いだから、悲しそうな目をしないで・・・。
 
「先輩・・・」
 
「辞めんといて・・・。財前の近くにおって守るから・・・っ」
 
「・・・はい・・・」
 
財前は少しだけ微笑んだ。
 
この時、俺は思ったんだ。
 
俺の腕の中ですっぽり収まってる小さな財前を絶対守ると。
 
絶対怯えた目をさせない。
 
泣かせない。
 
笑顔にしたい。
 
俺がただの後輩にここまで必死なのは可笑しいかもしれない。
 
でも、何でか財前は守りたかった。
 
やっぱり君は気になる存在だ。





    -END-






*アトガキ*

最後まで読んでくださって有難うございました!!

前回のアトガキで言ったとおりこれで財前クンが何故人間不信なのかが分かったかと・・・。

「いっそ殺せ」は私がヒスを起こした時に言ってます。

で、母親に殴られを数回繰り返してます。

さぁ、そんな暗い話題は置いといて。

謙也がこの気持ちに気づくのはまだまださきですね。

一目惚れなんですが気づくのが遅いと思います。

次は多分、名探偵・木更津ツインズでお会いすると思います。

多分なので。

それかキサミヅの観月編ですね。

以上、アトガキでした。
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2008年10月13日  21時02分
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