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2024年04月25日  13時16分
ふぅ。
CATEGORY : [キサミヅ]
今日はキサミヅうpします。

一応今回で淳編は終わりです。

最後まで終わりとかかなり悩みました。

でも、終わり方は一番気に入ってるかも。

前回の話はコチラから。(観月編です。

では、続きの小説からどうぞ。

淳と観月の恋の行方は?!











恋だと気付かなければ、こんな苦しい思いをしなくて済んだのに。

けど。

恋だと気付いたから、こんな幸せな思いをした。

正直まだ“恋”というものが分かっていない。

でも、これだけは分かる。

僕は君のことが好きだ。

だから・・・。









~Please Call My Name.~









「木更津くん・・・」

後ろから僕の好きな声が聞こえた。

後ろを振り返ると、観月がいた。

「何?」

僕は平然と答えた振りをした。

どうして振りかだって?

それは僕がホントは平然としていないから。

実際は、この目の前の観月に

「『何?』じゃありませんよ。昨日の部活サボりましたよね」

ドキドキしてる。

それは僕が観月のことが好きだから。

「木更津くん・・・?ぼーっとしてますが大丈夫ですか?」

「ん?あぁ・・・大丈夫だよ」

「本当ですか?顔が少し赤いですが・・・」

すっと手が伸びてきた。

「・・・」

その手をパン・・・と叩いた。

「き・・・さらづ・・・くん・・・?」

「あ・・・ゴメン・・・」

少し悲しそうな表情をしている観月に合わせる顔もなく、僕はさっと踵を返した。

「ゴメン・・・また用事・・・」

それだけ言って僕は長い長い廊下を走った。

僕は一体どうしてしまったんだろう・・・。

走った所為か、それともまだ観月にドキドキしているのか、僕の胸はいつもより早く脈打ってる。

気がつけば誰も居ない屋上にいた。

「はぁ・・・」

と、自分の吐いた溜息が大きな空に消えていった。

恋ってこんなにしんどいんだ。

知らなかったら何にも思わず過ごしてたのに!

何てことを誰もいないことをいいことに、空に向かって叫んだ。

つくづく自分は鈍いなぁ・・・と思った。

この恋を教えてくれたのは、自分が鈍いと思っていた兄の亮だった。

その鈍感だと思っていた亮に教えてもらったと思うと自然に自分の口から笑い声が出てきた。

その声も、真っ青で大きな空に溶け込んでいく。

僕の笑い声と一緒に、授業の開始を知らせるチャイムが鳴った。

「あーあ。サボろっと」

ドサッと地面に腰を下ろした。

んー、と背中を伸ばしていると、ガチャッと誰も開けないと思っていたドアが開いた。

「授業までサボりですか?」

「み・・・づき?」

誰も開けないと思っていたドアを開けたのは観月だった。

観月は何も言わず、僕の隣に座った。

それだけでドキドキとする僕。

「・・・」

三角座りで顔を埋めている観月。

「・・・観月・・・」

その観月に話しかける僕。

「はい・・・」

「観月もサボり?」

観月は顔を上げ、ジッと僕の顔を見ている。

口を開き何かを発しようとしていた。

「・・・あ、貴方の・・・」

そして、さっきまでずっと合っていた目線を逸らし、小さな声で言った。

「貴方の傍にいたかったんです・・・」

と。

観月の透き通った綺麗な声が僕の心に沁みた。

「・・・観月・・・」

言おう・・・。

心の中で誓った。

この僕らの上にある大きくて真っ青な空に比べたら、僕の恋の病など、とてもちっぽけなものだ。

ずっとこのまま苦しいままより、今一瞬の激痛の方が耐えられる。

「観月・・・好きだ」

「え・・・?」

困ったように狼狽している観月の目には少し涙が溜まっていた。

「ゴメン・・・。厭・・・だったよね?」

と、少し苦笑いをした。

もっともっと目に涙を溜め、観月は首を左右に振った。

「いっ厭なんかじゃ・・・ありませんよぉ・・・」

溜めきれなくなった涙はボロボロと零れ落ちた。

「僕も・・・好きです」

震えた声でそう言われた。

気づいたら僕は泣いて震えてる観月を抱きしめていた。

「観月・・・ありがとう・・・」

観月も僕の背中にすっと手を回した。

「木更津くん・・・ありがとうございます・・・」

「僕ね、観月のお陰で自分は自分なんだって分かったんだ」

「え・・・?」

「ずーっと亮がコンプレックスで、でもここに来て髪を切って亮と違う姿になった」

僕はもっと力を込めて観月を抱きしめた。

「僕はリョウじゃないアツシなんだって思えた」

「貴方は貴方ですよ。・・・僕は貴方だから好きになりました」

そして、少し間を開けてまた観月は口を開いた。

「きっと僕が引き抜く相手を間違えたことも、実は間違いじゃないんですよ」

「神様はこうなることを分かってたんだよ」

「木更津くん・・・」

「観月・・・いや、はじめ。僕の大好きなその声で名前を呼んで・・・?」

観月は顔を赤くして目線を下に下ろした。

「あ・・・」

そして、また顔を上げ、

「淳くん・・・」

と言ってくれた。

名前を呼ばれるのは予想以上に照れた。

2人は照れたまま何も言葉を発しなかった。

けど、抱きしめている腕は離さなかった。

「「・・・好き・・・」」

どちらからと言わずに出た言葉にまた照れた。

恋は苦しい。

けど。

恋は幸せ。

そして、だんだんと“恋”というものが分かってきた。

やっぱり、これだけは分かっていた。

僕は君のことが好きだ。

だから・・・。

僕の名前を呼んで。

僕は亮じゃない。

僕は

キサラヅ アツシ。





       -END-




*あとがき*

最後まで読んでくださって有難うございました!!

無事終わりましたー!(まだ観月編が残ってますが・・・。

やっぱ告白は攻めからです。

最後の文章は淳編の1番最初の話から持ってきました。

内容はgdgdですが、終わりだけは自分でも気に入ってます。

これでこの小説のタイトルの意味が分かったんじゃないでしょうか?

多分次の小説は謙光だと思いますー。

以上あとがきでした!
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2008年10月02日  21時50分
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